監査役会の性格と機能につき論述せよ。19951996 

参考文献 会社法鈴木p323 会社法の基礎p165

監査役とは、取締役の職務執行の監査をなす権限を有する必要的常設機関をいう(274条1項)。そして監査役会は大会社において監査役全員によって構成され、社外監査役を一名以上含む3名以上の合議体である。(商法特例法18条、商法特例法18条の2第1項)。ここにおいて大会社とは資本金の額が5億円以上または負債の合計金額が200億円以上の株式会社であり、平成五年改正法により、監査対象が複雑、広範囲な大会社においては組織的な監査を行うことが合理的であり、適切な監査意見を形成するための調整機関として構成されることになったのが監査役会である。
そして、監査役会の権限は、監査の方針、会社の業務および財産の状況の調査の方法、その他の監査役の職務の執行に関する事項を定めることができるが、個別の監査役の権限の行使を妨げるものではない(商法特例法18条の2第2項)。また、監査役は監査役会の求めがある場合は職務の執行状況を報告しなければならないとされ、各監査役が情報を共有できるようにしている(商法特例法18条の2第3項)。以上に加えて、会計監査人の選出、不再任および解任の議案の提出、及び取締役が株主総会へこれらの議案を提出することに対する同意を与えることができる(商特3条2項、5条の2第3項、6条3項)。また、法定の要件に合致する場合、会計監査人を解任し、仮会計監査人を選任することもできる(商特6条の2、6条の4)。

次に我が国の監査役会の性格として、株式会社の監査機構の比較法的な観点から、次のことが言いうる。一般に株式会社の監査機構は、取締役会内部に社外取締役を中心に監査委員会を設定するアメリカ法型(一元制経営機関型)と、監査役会が取締役の選解任権を有するドイツ法型(二元制経営機関型)の二つに大別できる。我が国の監査役会制度は、取締役会と監査役会とが同列機関であり、しかも1人以上の社外監査役の選任を義務づけている(商法特例法18条1項、18条の2)という特殊な形態をとる。これは、取締役会と監査役会とが同列機関である点では、アメリカ法型に近く、また、取締役会以外に監査役会という別機関を設けている点では、形式的にはドイツ法型に近いといえるが、アメリカ法上の社外取締役と我が国の監査役の機能的な類似性を考えれば、アメリカ法型に近いとも言える。しかし、我が国の監査役をアメリカ法型の社外取締役と同視することができない以上、我が国の監査機構は両者のいずれにも属さない独自の性格を有すると言える。
監査役会の機能が問題となるが、我が国の監査機構が一元制機関と二元制機関の中間的な性格をもっているために、監査役会の機能も複雑化していると言え、取締役会監査と監査役会監査、監査役会監査と会計監査人監査の機能の分担が問題となっている。

まず、取締役会監査と監査役会監査の機能の分担の関係について述べる。取締役会とは、業務執行に関する会社の意思を決定する必要的機関であって(260条1項前段)、そして取締役の職務の執行を監督する権限を有する(260条1項)。この点について文理的に解釈するならば、取締役会監査は「監督」なる文字が使われ、監査役会監査は「監査」という文字が使用されており、監査とは事前的監査を意味する監督と事後的監査を意味する検査との合成語であることから考慮すると、取締役会監査は事前監査に限定されるが、監査役会監査は事前監査および事後監査の双方に及ぶと解され、事前監査において両者の機能をどう解釈するかが問題となる。すなわち、具体的には監査役会の業務監監査の権限が、業務の適法性監査のみであるのか妥当性監査にも及ぶか否かが問題となる。

この点につき、取締役会の業務監督権限は会社の経営政策の観点から妥当性監査と適法性監査に及ぶが、監査役の業務監査権限は適法性監査のみであって、監査役会に妥当性監査権限を認めると取締役会の権限に不当に介入することになるとして、監査役会の妥当性監査を全く認めないとする見解がある。
しかし、監査役は、取締役が株主総会に提出する議案、書類に「著しく不当な事項」があるときは株主総会にその意見を報告する義務があるので(275条)、少なくとも一定事項が明白な不当性がないかどうかを調査し、警告的な意見表明をなすという消極的な妥当性監査にも権限が及ぶものと考えるべきである。そしてこれは監査役には取締役会出席、意見陳述権(260条の3)や取締役の違法行為差止請求権(275条の2第1項)などの事前監査権限について特に明文上権限の範囲を違法性監査に限る記載もないことから理由づけられる。従ってこの点について、積極的な妥当性監査は取締役の専権に属するものの、事前監査において監査役会の業務監査の監査権限は、適法性監査および消極的な妥当性監査に及ぶと解する。

次に監査役会監査と会計監査人監査の機能の分担について述べる。会計監査人とは大会社において計算書類およびその附属明細書及び営業報告書(会計に関する部分)を監査することを職責としており(商特2条)、法定の要件を満たす公認会計士または監査法人でなければならない(商法特例法4条)。そしてその権限は、いつでも会社の会計帳簿・書類を閲覧謄写し、また取締役および支配人その他の使用人、子会社に対して会計に関する報告を求めるほか、職務執行のため場合によっては会社の業務、財産の状況を調査しうる(商特7条)。そして、計算書類等の適法性について監査役会と意見が異なるときは、株主総会に出席して意見を述べることができる(商法特例法17条)。
このように大会社においては会計監査について監査役の権限と重複関係にあると言えるが、一般に内部者に近いとされる監査役の監査のみでは各利害関係者の納得は得られない上、専門的資格要件が定められていないので、複雑化した経理の内容に対応できる保証はない。さらに、多くの大規模会社は財務諸表について証券取引法監査を受けているが、受けていない大規模会社もある上、証券取引法監査の監査報告書が提出されるのは、株主総会の後である。そこで、大会社については、会計監査人の資格として、外部独立の職業的専門家であることを求めているのである。但し、会計監査人の権限が会計監査に限定されているものの、会計監査によって不当な処理を発見し、それが業務監査に及んだり、業務監査の手がかりとなるものが会計監査によって得られたりするものであることから、会計監査における両者の関係は連携協力関係にあるものであると解する。

そして、監査役会と会計監査人の連携協力による会計監査は、その職務の分担に現れていると言える。
第一に大会社において計算書類は取締役から監査役会と会計監査人に同時に提出されるが(商特12条)、監査報告書はまず会計監査人が作成し、監査役会はそれを踏まえた上で監査役会監査報告書を提出することになっている(商特13条1項、14条)。
第二に、監査報告書の記載内容は、会計監査人監査報告書は会計監査事項に限定され(商特13条2項)、監査役会監査報告書は主として業務監査事項であり、監査役会が会計監査人の監査の方法または結果を相当でないと認めた場合において、監査役会が独自に会計監査事項を記載するという関係にある(商特14条3項)。
第三に、営業報告書と附属明細書の監査については、会計に関する部分は会計監査人の監査報告書に記載され(商特13条2項)、それ以外の部分は監査役会の監査報告書に記載される(商特14条3項3号)。そして利益処分案または損失処理案についての法令及び定款に適合するや否やについての意見は会計監査人監査報告書に記載され(商特13条2項)、これが会社財産の状況その他の事情に照らし著しく不当なときはその旨を監査役会監査報告書に記載されることになっている(商特14条3項3号)。

このように大会社においては、会計監査において監査役監査と会計監査人監査が連携協力関係にあり、その分担関係は会計監査人が主であると考えることができる。これは、複雑な大会社の会計に対して、会計監査人が高度の専門的知識を有する独立の職業的監査人であることからも認められる帰結であるといえる。

2.取締役会監査、監査役会監査および会計監査人監査の相互関係につき論ぜよ。93年学部試験(奥島教授)

監査役とは、取締役の職務執行の監査をなす権限を有する必要的常設機関をいう(274条1項)。そして監査役会は平成5年の商法改正によって新設され、大会社において監査役全員によって構成される3名以上の合議体であって、任期は原則として3年であり、そのうち1名は社外監査役である。取締役会とは、業務執行に関する会社の意思を決定する必要的機関であって(260条1項前段)、そして取締役の職務の執行を監督する権限を有する(260条1項)。会計監査人とは大会社において計算書類およびその附属明細書を監査することを職責とするが(商特2条)、会社との関係は準委任関係(民法656条)であり、会社の機関ではない。また会計監査人は、資格について公認会計士または監査法人であって法定の欠格事由がない者でなければならないことが要求されている(商特4条)。

我が国の監査機構は取締役会内部に社外取締役を中心に監査委員会を設定するアメリカ法型(一元制経営機関型)と、監査役会が取締役の選解任権を有するドイツ法型(二元制経営機関型)の中間に位置する制度ということができ、その監査機能も複雑化しているため、取締役会監査と監査役会監査、監査役会監査と会計監査人監査の機能の分担が問題となっている。

まず、監査役会とは、平成五年改正法により大会社について創設された制度である。大会社とは資本金の額が5億円以上または負債の合計金額が200億円以上の株式会社であり、平成五年改正法により、大会社について、監査役の最低人数が三名に増員され、社外監査役制度が導入されたこと、監査対象が複雑、広範囲な大会社においては複数の監査役の間で調査の分担をし、それぞれが調査した結果を持ち寄って相互に調査を補うことによって、必要な知識・情報を共通にすると共に、それに基づいて各監査役の意見を検証しあって組織的な監査を行うことが合理的であり、監査の実効性を高めることになると期待されることから、適切な監査意見を形成するための調整機関として監査役全員によって構成される監査役会が創設された(商法特例法18条の2第1項)。
そして、監査役会の権限は、監査の方針、会社の業務および財産の状況の調査の方法、その他の監査役の職務の執行に関する事項を定めることができるが、監査役の権限の行使を妨げることはできない(商法特例法18条の2第2項)。また、監査役は監査役会の求めがある場合は職務の執行状況を報告しなければならないとされ、各監査役が情報を共有できるようにしている(商法特例法18条の2第3項)。さらに監査役会は取締役から報告(商特19条1項、商法274条の2)、取締役・清算人から計算書類とその付属明細書の提出(商特12条、商法420条1項)を、会計監査人から報告および監査報告書の提出を、それぞれ受け(商特8条1項、13条)、監査を終えた監査役から報告された監査結果(商特14条1項)に基づいて、多数決により監査報告書を作成して、取締役に提出し、会計監査人にその謄本を送付する(商特14条2項)。なお監査報告書には書く監査役の意見を付記することができる(商特14条3項後段)。以上に加えて、会計監査人の選出、不再任および解任の議案を取締役が株主総会へ提出することに対する同意を与えるほか、それらを株主総会の議題とすることを取締役に請求できる(商特3条2項、5条の2第3項、6条3項)。また、会計監査人を解任し、仮会計監査人を選任することもできる(商特6条の2、6条の4)。

次に、取締役会監査と監査役会監査の機能の分担の関係について述べる。
取締役会監査は取締役の職務の執行を監督する権限を有し(260条1項)、一方、監査役は取締役の職務の執行を監査する権限を有するから(274条1項)、この両者は重複すると言える。しかしながら文理解釈的に解釈するならば、取締役会監査は「監督」なる文字が使われ、監査役会監査は「監査」という文字が使用されており、監査とは事前的監査を意味する監督と事後的監査を意味する検査との合成語であることから考慮すると、取締役会監査は事前監査に限定されるが、監査役会監査は事前監査および事後監査の双方に及ぶと解される。
次に、監査役会の監査の権限が、業務の妥当性監査にも及ぶか否かが問題となる。この点につき、取締役会の業務監査は会社の経営政策の観点から適正妥当とされる妥当性監査と違法行為を発見したときに適当な措置をとりうる適法性監査に及ぶが、監査役の業務監査は適法性監査のみであって、監査役会に妥当性監査権限を認めると取締役会の権限に不当に介入することになるとして、監査役会の妥当性監査を全く認めないとする見解がある。
しかし、監査役は、取締役が株主総会に提出する議案、書類に「著しく不当な事項」があるときは株主総会にその意見を報告する義務があるので(275条)、少なくとも一定事項が一般社会概念上、明白な不当性がないかどうかを調査し、その調査結果として防止的、警告的な意見表明もしくは報告をなすという消極的な妥当性監査にも権限が及ぶものと考えるべきである。そしてこれは監査役には取締役会出席、意見陳述権(260条の3)や取締役の違法行為差止請求権(275条の2第1項)などの事前監査権限について特に権限の範囲を違法性の監査に限る記載もないことから理由づけられる。従ってこの点について、積極的な妥当性監査は取締役の専権に属するが、消極的な妥当性監査は監査役会も権限を有すると解する。
また、業務監査の対象について、会計監査との区別が問題となるが、一般に会計監査とは会計業務の監査をいい、業務監査とは経営における会計業務以外の業務活動の妥当性を対象とする監査を言うと解されているが、会計監査はその会計の内容に立ち入って監査を進める場合、そこに表示されている事実及び業務に及び、その合理性の監査にふれるものであり、逆に業務監査も会計監査を手がかりにするばかりでなく、経営の業務そのものも会計を利用して進められることが多いから、その監査も会計の適否にふれざるを得ず、その意味では業務監査は会計監査を含み、会計監査は業務監査の一部であると言える。従って、取締役会監査および監査役会監査の業務監査権は会計監査にも及ぶと解する。

次に監査役会監査と会計監査人監査の機能の分担について述べる。
会計監査人は、いつでも会社の会計帳簿・書類を閲覧謄写し、また取締役および支配人その他の使用人に会計に関する報告を求めるほか、職務執行のため必要があれば会社の業務、財産の状況を調査しうる。そのうえ子会社に対しても会計の報告を求め、場合によってはその業務、財産の状況を調査することができるものである(商特7条、商特30条1項3号四号、2項)。
このように会計監査について監査役の権限と会計監査人の権限は重複関係にあると言えるが、これは、次のような理由に基づくと言える。
商法は元来、会社と債権者・株主との利害関係を調整するという目的を持つ。ところが、会社が大規模化し社会的影響力が大きくなると、利害関係者も複雑化し、会計に関する事項が複雑化・専門化する。これら利害関係者の利害の調整を行うには適法な財務書類が株主総会に提出されることを担保する必要性が特に高くなる。
また、商法上監査役制度も存在するが一般に内部者に近いとされる監査役の監査のみでは各利害関係者の納得は得られない上、専門的資格要件が定められていないので、複雑化した経理の内容に対応できる保証はない。さらに、多くの大規模会社は財務諸表について証券取引法監査を受けているが、受けていない大規模会社もある上、証券取引法監査の監査報告書が提出されるのは、株主総会の後の時点である。
そこで、大会社については、各利害関係者に対し、不偏な専門家の監査を商法上要求し、株主総会に提出される財務書類の適法性を担保する事が望ましいと考えられた。すなわち、会計監査人の資格として、独立の職業的専門家であることを求めることにより、上記の必要性を満たすことが大会社に会計監査人の監査を要求した理由である。
そして、監査役会と会計監査人の連携協力による会計監査は、その職務の分担に現れていると言える。
すなわち、具体的には、第一に大会社において計算書類は定時総会の8週間前、そして附属明細書は計算書類提出後3週間以内までに取締役から監査役会と会計監査人に同時に提出されるが(商特12条)、計算書類を受領後4週間以内に会計監査人は監査報告書を監査役会及び取締役に提出し、次に監査役会は会計監査人監査報告書受領後1週間以内に、会計監査人監査報告書を踏まえて監査役会監査報告書を提出することになっている(商特13条1項、14条)
第二に、監査報告書の記載内容は、会計監査人監査報告書は会計監査事項に限定され(商特13条2項)、監査役会監査報告書は主として業務監査事項であり、監査役会が会計監査人の監査の方法または結果を相当でないと認めた場合において、監査役会が独自に会計監査事項を記載するという関係にある(商特14条3項)。
第三に、営業報告書と附属明細書の監査については、会計に関する部分は会計監査人の監査報告書に記載され(商特13条2項)、それ以外の部分は監査役会の監査報告書に記載される(商特14条3項3号)。そして利益処分案または損失処理案についての法令及び定款に適合するや否やについての意見は会計監査人監査報告書に記載され(商特13条2項)、これが会社財産の状況その他の事情に照らし著しく不当なときはその旨を監査役会監査報告書に記載されることになっている(商特14条3項3号)。
このように大会社においては、会計監査の分担関係は会計監査人が主であると考えることができる。これは、複雑な大会社の会計に対して、会計監査人が高度の専門的知識を有する独立の職業的監査人であることからも認められる帰結であるといえる。

このように我が国の株式会社の監査機構は、幾つかの重複が見られるものの、その機能の調整、分担が図られていると言える。

■ 会計監査人

● 選任


選任機関は、株主総会(普通決議)、(会社成立の際は発起人または創立総会)。
会計監査人は選任後、会社と監査契約(準委任契約)を締結して会計監査人就任。
会計監査人は会計監査人の選任につき総会に出席して意見を述べることができる(特例法6条の3)。
監査役は過半数の同意をもって代表取締役に会計監査人の選任を総会の議題とすること、または会計監査人選任の議案を総会に提出することを請求することができる(特例法3条3項)
取締役が会計監査人選任の議案を総会に提出するには、監査役の過半数の同意を必要 (特例法3条2項)。

● 選任の時期

明文の規定なし
定時総会で特別の決議がなされなければ、前事業年度の会計監査人が当然再任されたこ とになる。
会計監査人の死亡などにより欠けた場合直ちに会計監査人を選任することが義務づけら れている。
常設の機関である。
資本金又は負債総額が規定額に達した時点の後に最初に到来する定時総会の終結時まで、特例法が適用されない。

● 解任

・総会による解任
総会通常決議により何時でも解任可(特例法6条1項)。正当な理由なく解任された場合には会計監査人に損害賠償請求権あり。
取締役が会計監査人解任の議題を総会に提出するには、監査役の過半数の同意が必 要(特例法6条3項、3条2項)。
監査役はその過半数の同意をもって、代表取締役に対し、会計監査人の解任を総会の議題とすることを請求することができる(特例法6条3項、3条3項)。
会計監査役は解任の議題が提出される総会に出席して意見を述べることができる。

・監査役による解任
監査役は下記のいずれかに該当する場合、その全員の同意をもって会計監査人を解 任することができる(特例法6条の2第1項)。
会計監査人が職務上の義務に違反し、または職務を怠った場合
会計監査人に相応しくない非行があったとき
心身の故障のために職務の遂行に支障があり、またはこれに耐え得ない場合
会計監査人を解任した場合、監査役は解任の事実と理由を解任後最初に到来する株 主総会に報告しなければならない(特例法6条の2第2項)。

● 会計監査人の任期

就任後1年以内に到来する最終の決算期に関する株主総会の終結の時まで(特例法5条 の2第1項)。ただし、任期満了となる株主総会において別段の決議亡き場合は再任さ れたとみなされる(特例法5条の2第2項)。
取締役が会計監査人不再任の議題を総会に提出するには監査役の過半数の同意を必要と する(特例法5条の2第2項、3条2項)。
監査役はその過半数の同意をもって、代表取締役に対し、会計監査人の不再任を総会の 議題とすることを請求することができる(特例法5条の2第3項、3条3項)。
会計監査人は不再任の議案が提出される総会に出席して意見を述べることができる。
会計監査人が欠けた場合、遅滞なく会計監査人が選任されない場合は、監査役は仮会計監査人を選任しなければならない(特例法6条の4第1項)。

● 会計監査人の資格

会計監査人の積極的資格として公認会計士あるいは監査法人であることが要求される。
下記のような欠格事由の該当者は除く(特例法4条2項)
公認会計士法24条または第34条の11の規定により、会社の第2条の書類について監査をすることができないもの
会社の子会社もしくは取締役もしくは監査役から公認会計士もしくは監査法人の業務以外の業務により継続的な報酬を得ている者、またはその配偶者
業務の停止の処分を受け、その停止期間を経過しない者
監査法人でその社員中に、業務の停止処分を受け、その停止期間を経過しない者があるもの
監査法人で社員の半数以上が会社の子会社もしくはその取締役もしくは監査役から公認会計士もしくは監査法人の業務以外の業務により継続的な報酬を得ている者またはその配偶者であるもの

● 会計監査人の職務

商法2811項の計算書類等(貸借対照表・損益計算書・営業報告書(会計の部分)・ 利益処分案・付属明細書(会計の部分))が法令及び定款に従って作成されているかど うかを監査すること(特例法2条)。

● 会計監査人の職務執行のための権限

業務財産調査権
会計帳簿・書類の閲覧謄写権(常時)(特例法7条1項)
取締役・支配人・使用人に対する会計に関する報告請求権(常時)(特例法7条1項)
業務財産状況調査権(必要な場合)(特例法7条2項)

子会社調査権
会計に関する報告請求権(必要な場合)(特例法7条3項)
子会社が遅滞なく報告をなさざる時若しくは子会社の報告の真否を確かめるときのための業務・財産調査権(特例法7条4項、274条の3第2項)
正当な理由のある場合にのみ子会社に拒否権がある(特例法7条4項274条の3第3項)

■ 参考文献)財務諸表監査の構造と制度p211~216
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