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監査基準委員会報告書第3号経営者による確認書(中間報告)
前文
2 経営者確認書の意義
4 経営者確認書入手の目的
5 経営者確認書の入手上の留意事項
6 確認事項の例
7 発効及び適用
〔付録〕
平成5年1月19日
日本公認会計士協会
監査基準委員会
監査基準委員会から答申のありました「監査基準委員会報告書第3号(中間報告)『
経営者による確認書』」が、去る1月19日の理事会で承認されましたのでお知らせい
たします。この報告書は、平成4年9月10日付けの会長からの諮問「公正な監査慣行を
踏まえ、監査人が遵守すべき監査の実務規範を検討されたい。」に対する答申であり
、既公表の報告書第1号(中間報告)「分析的手続」及び第2号(中間報告)「特記事
項」に続くものであります。監査基準委員会では、本報告書をもって、緊急に検討を
要すると予定されていた項目については一応の取りまとめを終えましたので、今後は
監査のフレームワークに係わる項目を審議テーマとして取り扱っていくこととしてお
ります。なお、本報告書は、平成5年2月1日に発効し、平成4年4月1日以後開始する事
業年度に係る監査から適用されることになっておりますので念のため申し添えます。
(常務理事中嶋敬雄)
1.本報告書は、経営者による確認書(以下「経営者確認書」という。)に関する実
務上の指針を提供するものである。
経営者確認書の意義
2.財務諸表監査制度は、財務諸表の作成者と監査人が協力して、真実かつ公正な財
務諸表を利害関係者に提供することを本来の目的としている。したがって、両者は、
財務諸表に関する責任を分担しながら、相互に協力し合う関係にある。このような協
力関係を示し、もって監査制度に対する社会的信頼性をより一層高めていくために、
経営者確認書の入手が必要である。
3.経営者確認書の入手は、監査基準及び準則に準拠した監査の一環として行われる
ものではあるが、監査実施準則は、その「三」に監査手続を列挙する一方、経営者確
認書の入手をこれとは別に「九」に規定して、監査手続そのものではないと位置付け
ている。このことからも明らかなように、監査人は、経営者確認書を入手したことを
理由として、通常実施すべき監査手続を省略することはできない。
経営者確認書入手の目的
4.経営者確認書を入手する主な目的は、次のとおりである。
(1)財務諸表の作成責任が経営者にあることの確認
一般に公正妥当と認められる会計基準に準拠して財務諸表を作成し、会社の財政状態
及び経営成績を適正に表示する責任は経営者にあるということを、経営者自身が認識
していることを確認する。
(2)監査の実施に必要なすべての資料が監査人に提供されたことの確認
監査人が必要と判断したすべての資料がいかなる制約もなく経営者から監査人に提供
されたことを確認する。
(3)重要な偶発事象、後発事象等に関する確認
重要な偶発事象、後発事象、オフバランス取引等、財務諸表に重要な影響を及ばす事
項について、その最新の情報を確実に知り得る立場にある経営者から、その有無、内
容等を確認する。
(4)監査実施時の確認事項についての文書による再確認及び追加確認
財務諸表に重要な影響を及ばす事項に関し、監査の実施過程で行った口頭による質問
の回答について、経営者と監査人との間の解釈の曖昧さや誤解を避けるために文書で
再確認し、また、その後監査報告書作成日までの間にその内容に変化がなかったこと
を追加確認する。
(5)経営者の意思や判断に依存している事項についての確認
財務諸表に重要な影響を及ぽす事項で、経営者の意思や判断のような主観的要素に負
うところの大きいものについて、その内容及び根拠を確認する。経営者の意思や判断
に依存している事項については、経営者確認書の入手が適切な監査手続を実施するた
め重要である。
経営者確認書の入手上の留意事項
5.経営者確認書の入手に当たっては、以下の点に留意しなけれぱならない。
(1)経営者確認書は監査人に対する経営者からの書面であるが、記載される内容は
いずれも監査人が必要と認めて経営者に確認を求める事項であり、また、記載内容の
いかんによっては監査手続にも影響を及ぼすため、通常、監査人が草案を作成し、経
営者に内容の説明を行って事前に了解を求めなけれぱならない。
(2)経営者確認書は、簡潔かつ明瞭に表現し、曖昧な表現又は冗長な記述は避ける
よう求めなけれぱならない。
(3)確認すべき事項は、監査契約(監査目的)、経営環境、財務諸表の種類、会計
方針、会社の置かれている状況等により異なるので、これらを総合的に勘案し、監査
意見の表明に当たって必要と認めた事項を記載するよう求めなけれはならない。
(4)経営者確認書は、監査報告書の交付日に入手しなけれぱならない。
(5)経営者確認書は、監査報告書を提出する場合には入手しなけれぱならない。す
なわち、商法監査報告書を提出する場合や同監査報告書を提出した後に証券取引法監
査報告書を提出する場合はもちろん、起債等に際し開示する財務諸表に添付される監
査報告書を提出するような場合にも、入手しなけれぱならない。
(6)経営者確認書には、確認事項について最終的な責任を有する経営者、すなわち
会社の代表取締役の署名(又は記名捺印)を求めなけれぱならない。
確認事項の例
6.経営者確認書には少なくとも次に掲げる事項を記載するよう求めなければならな
い。
(1)財務諸表の作成責任が経営者にある旨
(2)監査の実施に必要なすべての資料を監査人に提供した旨
(3)重要な偶発事象及び後発事象
また、上記のほかにも、確認事項の例としては次のような事項が考えられる。
(4)重要な会計方針の変更がある場合には、その旨及び理由
(5)資産又は負債に重要な影響を及ぼすおそれのある経営計画又は意思決定の概要
(6)原価基準により評価している有価証券の時価が著しく下落している場合に、取
得価額まで時価が回復するかどうかに関する経営者の見解
(7)長期滞留棚卸資産の評価減、取立不能のおそれのある債権に係る担保の評価や
貸倒引当金の設定など、重要な会計上の見積りに関する経営者の見解
なお、監査の過程で確かめられた事項で、改めて確かめる必要がないと監査人が認め
たものについては、記載の対象としない。
発効及び適用
7.本報告書は、平成5年2月1日に発効し、平成4年4月1日以後開始する事業年度に係
る監査から適用する。
〔付録〕経営者確認書の記載例
1.商法計算書類等の監査に関する経営者確認書の記載例
平成×年×月×日
公認会計○○○○殿
○○○○株式会社
代表取締役(署名)
(又は記名捺印)
当社の平成×年×月×日から平成×年×月×日までの第△期営業年度の貸借対照表、
損益計算書、利益処分案並びに営業報告書及び附属明細書のうち会計に関する部分(
以下「計算書類等」という。)の監査に関連して、下記のとおり確認いたします。
記
1.一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して計算書類等を作成し、会
社の財産及び損益の状況を正しく示す責任は、経営者にあることを承知しております
。
2.当社は、貴殿から要請のあった会計記録及びそれらに関連する資料をすべて貴殿
に提供いたしました。
3.計算書類等に計上又は注記している事項を除き、重要な偶発事象及び後発事象は
ありません。
4.・・・・・・・・・・
5.・・・・・・・・・・
6.・・・・・・・・・・
7.・・・・・・・・・・
以上
2.商法監査報告書提出時に経営者確認書を入手している場合において、後日改めて
証券取引法監査報告書を提出する際に入手する経営者確認書の記載例
平成×年×月×日
公認会計○○○○殿
○○○○株式会社
代表取締役(署名)
(又は記名捺印)
当社の有価証券報告書に含まれる平成×年×月×日から平成×年×月×日までの第△
期事業年度の財務諸表及び同期間の連結会計年度の連結財務諸表の監査に関連して、
下記のとおり確認いたします。
記
1.財務諸表の監査に関連して、商法監査との関係で貴殿に提出いたしました平成×
年×月×日付けの経営者確認書の内容を変更すべき事項は、本日までの間に発生して
おりません。
2.連結財務諸表の監査に関連して、
(1)一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して連結財務諸表を作成し
、会社及び連結子会社の財政状態及び経営成績を適正に表示する責任は、経営者にあ
ることを承知しております。
(2)当社は、貴殿から要請のあった連結財務諸表作成資料及びそれらに関連する資
料をすべて貴殿に提供いたしました。
(3)連結財務諸表の作成の基礎となったすべての子会社及び関連会社の個別財務諸
表に関して、重要な偶発事象及び後発事象はありません。
(4)・・・・・・・・・・
(5)・・・・・・・・・・
(6)・・・・・・・・・・
(7)・・・・・・・・・・
(注)変更すべき事項がある場合には、上の文章に代えて次の文章となる。
財務諸表の監査に関連して、商法監査との関係で貴殿に提出いたしました平成×年×
月×日付けの経営者確認書の内容を変更すべき事項は、以下の事項を除いて、本日ま
での間に発生しておりません。
(1)・・・・・・・・・
(2)・・・・・・・・・
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